ビバ!キューバ5:WANTEDこのカップル危険につき~後篇
『Buena Vista Social Club 』ドキュメンタリー映画のワンシーン
こんにちは、エレガンテです。
これまでヨーロッパはもちろんのことトルコ、エジプト、イスラエルだってバックパッカーで旅しました。
地元の方に親切にして頂いた素敵な思い出は数々あれど騙されてイヤな思いをしたことなど皆無の私でしたが、キューバでは初めてカモになりました。
1.ダーリンと一緒だったため女性一人旅のようなピリピリ緊張感が薄かった
2.革命家チェ・ゲバラやカストロに抱く敬愛の念が警戒心を弱めた
こんなところがカモられた背景ですが、一番の原因は「サルサの本場にやってきた!」と浮かれた気持ちで街へ出た何もわからない初日に見知らぬ他人と関わりを持ってしまった・・点です。
本日の結末は皆さまにも教訓として頂ければ幸いです。
****************
「おすすめのサルサクラブはある?」
「君たちラッキーだよ、ちょうど有名なサルサコンサートがあるんだ!連れて行ってあげる」
「住所だけ教えて」
◆キューバ豆情報◆
ハバナは全ての道に名前が付いていて住所と地図があればホボ目的地にたどり着けます。
例えば
Calle Bratillo #9 % Obispo y Narciso Lopez,
La Habana Vieja
上記のような住所表記の場合
Calle=通り #=番 %=間
y=と Habana Vieja=旧市街
すなわち
旧市街のObispo通りとNarciso Lopez通りの間のBratillo通り9番
未だ完全には警戒心を解いていない私は(後で自分で調べて興味があれば行ってもいっか)程度に考え、住所だけ聞いておこうとしたのです。
「今すぐ行こうよ」
「え、今コンサートをやってるの?」
「そうだよ、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ、って世界的に有名なバンドメンバーが出るんだ、知らない?」
「なんか聞いたことがあるような・・でも私たちはサルサ音楽を聴くんじゃなくて踊りたいのよ」
「もちろん音楽を聴きながら踊るのさ」
◆キューバ豆情報◆
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブは米国ライ・クーダーがキューバを旅した際、現地の老ミュージシャンとセッションしたことをきっかけに結成されたバンド。
1997年にソロアルバムが発売されると世界中で大ヒット、ワールドツアーが組まれ、1999年にはドキュメンタリー映画も制作された。
『ビバ!キューバ2音楽とダンスにあふれる街』でも1280万回再生のYoutube動画をご紹介していますのでご興味のある方は是非ご覧下さいね。
どこかで聞いたことのある懐かしいメロディーが聞こえてくるはず♡
Buena Vista Social Club のメンバーが演奏中
連れて行かれたのはObispo通りから1本奥の通りにある、ごくごく普通のオープンカフェでバンドが演奏中。
「ここでコンサートやるの?」
「今やってるじゃない?ほら中に入って、入って。あのキーボード奏者は92歳で現役なんだ、すごいでしょう?」
「へ?コンサートってコレのこと?」
「そうだよ。92歳のキーボード奏者はブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのメンバーだったんだよ。君たちはすごくラッキーだよ!」
日本で言うと・・
かつて一世を風靡した有名バンドがその後鳴かず飛ばずの状態で年老いて、地方の飲屋さんでドサ営業している所に連れていかれて、
「君たちラッキーだよ!」
って言われた感じ?
「とにかく座ろうよ。何飲む?」
とTito。
私たち以外にお客さんは2組だけでガラ~~ンとした感じ。
「ダーリン、どうする?」
「一杯だけ付き合ってホテルに戻ろう」
「そうね、じゃ私はお水を頂くわ」
「俺も水」
これも警戒心を解ききれない私と彼の以心伝心。
普通なら私たちがお水なんて有り得ないっしょ・笑
すると、
「ちょっとジャパニーズ・アミーゴ!何言ってんの?キューバに来たらモヒートでしょ、モヒート!水なんてありえない!」
やんのやんのと若夫婦。
「私はお水が飲みたいの!」
断乎ツッぱねましたが、ここでワインなんぞ注文しようものなら幾ら請求されたのか空恐ろしくなります・・
Tito & Luiza
家族の話をしたり、踊ったり、30分程たったでしょうか。
「モヒート、もう1杯頼んでいい?」
とTito。
どうやら私たちが奢る前提らしい・・
ダーリンに目配せすると、
「カモ~~~ン!」
お酒の入ったLuiza まで煽ってきます。
すると、なぜかカフェのおばちゃんまでシャシャリ出て来て、
「飲みたいって言ってんだから、それくらい奢ってやんな!」
とすごんできます。
いつもは優しいダーリンも不機嫌になり、
「わかった、もう1杯ずつ頼んでいいから今すぐ精算してくれ!俺たちは先にホテルに帰るから」
おばちゃんが持ってきたビルに書かれていた数字は、
【42cuc】
さぁ皆さん、思い出してみましょう!
数時間前のランチ代は32cucでしたね。
スペイン統治時代の豪邸を改装した優雅な大理石レストランでお肉&お魚のランチプレートに白ワイン&生ビール、しかもピチピチの現役生バンド付き!
それよりもお高いって、
おかしくないですか?
しかも私たち、
お水2杯しか飲んでいないのに・・
「ちょっと、このビル間違っていない?内訳を説明して!」
負けてたまるかと必死に食い下がる私に、
「モヒートが1杯8cuc×4、水が4cuc×2、あとの2cucはサービスチャージで合計42cucだよ。今日は特別な日なんだよ、なんか文句あるかい?」
と高圧的にまくしたてるおばちゃん。
Tito&Luizaはその間、我関せずと無言。
キューバは【観光業で外貨を稼ぐ】という国家方針に基づきツーリストに対する犯罪は重く処罰されます。
オープンカフェで通りには見回りの警察官も歩いています。
ダーリンを残して私が店外で訴えることも頭をよぎりましたが当時のレートは1cuc=111円。
すなわち111×42=4662円
初日で右も左もわからない私たちはとにかく42cucを支払い、お店を出たのでした。
◆キューバ豆情報◆
モヒートの相場(2017年当時)
・洒落たカフェバー:3cuc
・庶民的なお店:2.25cuc
・超高級ホテル:4cuc
その後キューバにも慣れてくると気候がそうさせるか、不思議と私たちもお水代わりにモヒート♡を飲むようになりその相場もわかってきました。
初日に請求されたモヒートは8cuc/杯、ヘミングウェイが通ったことで有名な『フロリディータ』でさえ4cuc/杯、つまり私たちは倍以上もの値段を吹っ掛けられたのです。
Titoはお店とグル?親戚?
売上に応じてマージンが入るのかもしれません。
暇つぶしにタダでお酒が飲めてお小遣いも稼げてラッキー、しかも観光客用cucは人民ペソに対して25倍の価値があるため、
4662×25=116,550円也
現地人の感覚としてはこんな感覚の臨時収入
今は円安・物価高ですから当時より悲惨な結末になること間違いなし!
皆様もキューバを訪れる際は気安く声をかけてくるカップルにお気を付けあそばせ♪
それでも、
I キューバ!
I モヒート! ですけどネッ
本日も最後までお読み下さり有難うございました
月に1回程度?の更新通知が届く
【読者登録】
・SP:記事の下部
・PC:右サイドバーの上部
にボタンが設置されています。
読者登録&応援よろしくお願いします♪